補助金コラム
20260722
【補助金コラム】骨太の方針2026が閣議決定〜中小企業の「稼ぐ力」強化と補助金拡充のゆくえ〜
「人手が足りず、値上げ分の価格転嫁もなかなか進まない」「設備を新しくしたいが、原資をどう工面するか悩ましい」――日々こうしたお声を数多くいただきます。中小企業を取り巻く環境は、人口減少や物価・賃金の上昇の中で、大きく変わろうとしています。
そのような状況を左右するのが、政府が毎年決定する経済財政運営の指針「骨太の方針」です。今後の補助金・助成金がどの方向に厚くなっていくのか、その大枠がここで示されます。
令和8年7月21日、その最新版となる「経済財政運営と改革の基本方針2026(骨太の方針2026)」が閣議決定されました。個別の公募要領ではありませんが、中小企業支援や補助金のこれからに直結する内容が多く盛り込まれています。補助金の活用を考える経営者の皆さまに向けて、要点を整理してご案内します。
資料名:「経済財政運営と改革の基本方針2026(骨太の方針2026)」(令和8年7月21日 閣議決定)
URL:https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/honebuto/2026/decision0721.html
▼ 骨太の方針2026とは
「骨太の方針」は、国の予算編成や経済政策の大きな方向性を定める、毎年の政府方針です。今回の2026は「『責任ある積極財政』元年 〜日本の挑戦を起動する!〜」を掲げ、長年の「未来への投資不足」を断ち切るため、「危機管理投資」や「成長投資」を大胆かつ戦略的に進めるとしています。令和9年度(2027年度)を「責任ある積極財政元年」と位置付け、通常の歳出とは別に『「強く豊かな日本」投資枠』を創設することも示されました。
景気回復の力を「地方や中小・小規模事業者」にも広げ、全国で「景気が良くなってきた」と実感できる状態を目指す、という点が繰り返し強調されているのが特徴です。
▼ 中小企業の「稼ぐ力」強化と補助金の充実・拡充
今回の方針で、補助金活用を考える上で最も注目したいのがこの部分です。「強い経済」の実現には「強い中堅・中小企業」が主役になる必要があるとして、令和8年6月24日に中小企業庁が策定・公表した「労働供給制約社会における中堅・中小企業の『稼ぐ力』強化戦略」に基づき、幅広い支援を行うとされています。
支援の対象:いわゆる100億企業や中堅企業から、売上高1〜10億円規模の企業、小規模事業者、ローカル・ゼブラ企業まで、変革に挑む企業を幅広く対象
補助金の方向性:各種補助金・助成金や業種横断的なサポート体制の充実・活用促進を進め、「省力化投資促進プラン」を着実に実行するとともに、更なる充実・拡充を図る
狙い:「稼ぐ力」の強化と賃上げの好循環を実現する
省力化・省人化に資する投資への後押しが、引き続き制度の柱として位置付けられていることがうかがえます。
▼ 設備投資・地域企業への支援
地域経済の面でも、企業の成長投資を支える施策が示されています。
「地域未来交付金」を拡充し、成長資金の供給・企業支援・インフラ整備・人材育成を一体的に推進
国の中堅・中小企業向け設備投資補助金や人材育成支援策を積極的に活用し、地域企業の成長投資・事業拡大・付加価値向上を支援
交付金等を活用した都道府県・市町村による、中小企業の生産性向上支援の取組を後押し
国の補助金だけでなく、交付金を通じた自治体独自の支援メニューも広がっていく可能性があります。地元自治体の制度も合わせて確認しておくとよいでしょう。
▼ 賃上げ・最低賃金・価格転嫁のゆくえ
補助金と表裏一体で進むのが、賃上げと価格転嫁への対応です。要件や加点で「賃上げ」が問われる制度も多いため、方向性を押さえておきたいところです。
賃上げのノルム:2029年度までの間で、物価上昇を年1%程度上回る賃金上昇(実質賃金 年1%程度の上昇)を社会通念として定着させる
最低賃金:全国平均1,500円という目標に向け、遅くとも2030年代前半のできる限り早期に達成を目指す
価格転嫁:「官公需における価格転嫁・取引適正化加速化プラン」により、2027年度末までに予定価格の適正化等を100%実施
▼ 補助金の「見直し」にも要注目
一方で、財政の面からは「租税特別措置・補助金・基金の見直し」も明記されています。補助金等が歳出に見合う社会的価値を生んでいるか、費用対効果の視点で点検・見直しを進めるとされており、制度の新設・拡充と整理・重点化が同時に進む見通しです。「使える制度は、使えるうちに」という姿勢がより大切になりそうです。
▼ いま準備しておきたいこと
① 省力化・省人化や設備投資など、自社の投資計画を今のうちに具体化しておく(制度が動き出したときにすぐ動ける状態に)。
② 賃上げ・価格転嫁への取組を整理しておく(多くの制度で要件・加点に関わります)。
③ GビズIDプライムのアカウントを取得しておく(多くの補助金の電子申請Jグランツで必要。取得に時間がかかるため早めに)。
④ 国の制度だけでなく、都道府県・市町村の交付金・支援メニューも合わせて確認する。
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