補助金コラム
2023/10/13
【補助金コラム】これは何の目的のための補助金?
補助金によっては、「こんなものにも補助金が出るの?!」と驚かされるユニークな補助金もあります。
補助金は、「国や自治体が推進する事業に取り組んだ事業者に対して、かかった費用を補助する制度」で、
とても砕けていうと、「国や自治体がやってほしいことをやった事業者に支援します!」といえます。
補助金が出るときに、「これは何の目的のための補助金?」「国や自治体は何を目指したい?」
という見方で考えると少し面白いです。
では、本日は「これは何の目的のための補助金?」と疑問に思うような補助金をいくつか紹介したいと思います。
弊社のコラムでも過去にたくさんのユニークな補助金を取り上げていますので、よろしければ一緒に見てみてください。
薪ストーブを購入するともらえる補助金(長野県松本市)
●概要:
2025年までにゼロカーボンを実現することを目的に、
再生可能エネルギーの利用及び森林資源を持続可能な形で活用するため、
薪ストーブ等の購入者に対し補助金を交付します。
補助金の内容は、本体の購入に要する費用の2分の1以内とし、上限は10万円です。
●補助金交付対象者の条件
•市内に居住、若しくは事業所を有する個人又は事業者の方
•新規又は更新で薪ストーブ等を購入、設置する方(購入、設置前に申請すること)
•薪ストーブ等を自ら購入し、当該住居又は事業所において使用すること
•過去に同一世帯又は事業所において薪ストーブ等購入事業補助金の交付を受けたことがないこと
•排煙や臭いを抑制する二次燃焼機能又はこれと同等以上の機能を有するもの、
若しくは熱効率60パーセント以上の機能を有するストーブを設置すること
•ハイブリッドストーブ(薪・ペレット兼用ストーブ)で、ペレットを使用する場合は、
長野県産のペレットであること
など
一見、「薪ストーブ購入でなぜ補助金が?!」と思ってしまいますが、
概要にあるとおり「ゼロカーボンを実現したい!」という自治体の思いがあり、
その1つの方法として環境にやさしい「薪ストーブ」の利用を進めていこう!というねらいなのですね。
ミツバチの飼育をするともらえる補助金(東京都千代田区)
※既に募集が終了していますのでご注意ください
●概要
養蜂活動を通じて環境教育活動を推進する団体等を支援し、区内の環境保全に寄与する。
●補助対象となる取組み
(1)ミツバチの飼育
(2)巣箱の手入れ
(3)採蜜作業
(4)食品安全検査
(5)上記活動に伴う分析調査
(6)蜂蜜の活用
(7)養蜂活動を通じた環境教育活動
(8)養蜂活動のために行われる事前調査、知識および技術の習得のための研修
(9)養蜂活動に必要な資機材の整備
出典:助成金ブログ「補助率100%/最大100万円/ハチミツを作ると補助金が出る?」
「なぜミツバチの飼育を推進しているのだろう?」と思ってしまいますが、
実はミツバチは自然環境にとって不可欠な存在。
ミツバチが授粉をすることで、私たちが普段食べている野菜や果物が実るなど、
人間やそのほか生物たちの生態系を作り出しているそうです。
そのミツバチを取り巻く環境は厳しいようで、世界的にも減少しているとのこと。
私たち人間にとっても、生きていく上で非常に大事な存在のミツバチを守ることがねらいだったのですね。
パンダを誘致するための補助金(茨城県日立市)
※既に募集が終了していますのでご注意ください
●概要
かみね動物園へのジャイアントパンダ誘致活動の機運醸成の一環として、
魅力あるパンダ関連商品の開発を支援するため、必要となる経費の一部に対して補助する。
●補助対象経費
・容器包装費
・委託加工費
・デザイン製作委託費
など
こちらも斬新な補助金ですね。
この補助金をつくった茨城県日立市は、深刻な人口減少に直面しているようで、
地域活性化の1つの方法として「ジャイアントパンダを誘致する」方針を定めました。
茨城県日立市に限らず、各県さまざまな自治体がパンダ誘致を進めているようですが、
パンダ誘致のための補助金活用は珍しく、茨城県日立市の熱い想いが伝わってきます!
いかがでしたでしょうか。
変わった補助金だな、と思ってもその裏には国や自治体が「社会問題を解決したい」「地域を盛り上げたい」など
といった願いが込められていて、こういった補助金のつくられた背景を考えてみるのも、楽しいです。
事業者のみなさまの思いと国や自治体の思いがマッチして、
補助金が有意義に使われることにこれからも期待したいです!